雨だれと水琴窟 (from h2)

 水琴窟を庭に設置し、秋の夜長に月を眺めながら、“ポチャ〜ン・・・・・ポチャ〜ン・・・・・” といった音色を聴きながら、侘び、寂びを愉しめれば、最高ですよね。  所で、水滴が水面に落ちるとき、“ポチャーン” という音色が出るのは、どうしてだと思いますか? 風呂に入った時、蛇口から滴る水滴が風呂の湯に落ちた時、このような音がしますが、水面の変化を見た事がありますか?  大きな良い音色が出る時は、必ず、水滴が落ちたあとに、水面には一時、数ミリの “気泡 (泡ぶく)” が生まれている事を、見つける事が出来ます。  実際にディジカメの動画機能で、水滴が作る “気泡” の推移を連写 (1/30秒) してみました。連写スピードが遅いので、1.の画像 (水滴落下中) がはっきりしていませんが・・・・・。  高速の連写が出来れば、もっと鮮明な画像が出来たのですが、視づらいです。 %B1%AB%A4%C0%A4%EC%A4%CE%A5%B3%A5%D4%A1%BC.jpg  写真6で水面に気泡が出来ています。 ポチャーンという音は、この “気泡” に原因しています。  水滴が水面にぶつかった時、水面がその圧力で下がり、空気を巻き込むと、数ミリの小さな “気泡” ができます (写真2)。 この “気泡” が水面より深くもぐり、水面まで上昇する過程で、“気泡” の境界での水の表面張力と、浮力で、“気泡” が振動しながら上昇します (写真3,4,5)。 その時の “気泡” の振動が音として聞こえます。 大きな “気泡” の場合は、直径が大きいので低い音、小さな “気泡” の場合は、高い音になります。  水滴の落下距離が短い場合は、スピードが無いので、水面にぶつかった時に、空気を巻き込まず、“気泡” が出来ない為、当然綺麗な音は出ません (せいぜい “ペタ” という、水滴が水面にぶつかっただけの音となります)。  高い落下距離の場合は二度続けて “ポチャ〜ン ・ ポチャン” となる場合があります。 これは、落ちた水滴により、水面が盛り上がり (写真5がもっと高くなる) 落下のとき再度水滴が出来ます。 それが、別の小さな “気泡” を作る事によります。 なので二度目の音は、小さな高い音を出します (この時は水面に2つの泡が出来ている事が見てとれます)。  風呂に入った時、一度観察されては如何でしょうか。 でも 「ノボセ」 ないように!  水琴窟の場合はこの水滴の音を、地面に埋めたカメの中の空気で共振させ、大きな反響のある音色にするため、大きな澄んだ音色で聴かせてくれます。  “気泡 (泡ぶく) ” の大きさと、落ちるタイミングをコントロール出来れば、楽器が出来る?  かも知れません。  きっと清々しい音色を奏でてくれる事と思います (ショパンの “雨だれ” というピアノ曲がありますが、この曲を水滴の音で奏でると、ピッタリくるのではないでしょうか?)  一度、雨だれで楽器を作ってみたいと思っています。  この理屈は、今から40年ほど前の科学朝日に掲載されていましたが、私なりに再現してみました。 身近なものにも、普段考えもしないような不思議があるものです。 “ポチャ〜ン” という音色を聴くたび、この記事を思い出します。
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